安成工務店のプロジェクト事例
長府製作所様より自社記念館計画のご相談を頂き、コンペティションを経て選んでいただけた、デザイン性の高い大規模木造施設案件です。
当時、長府製作所の会長は、長府製作所記念館の建設を考えていらっしゃいました。
歴史的にも文化的にも価値の高い城下町・下関市長府にそのための土地は取得したのですが、どのような性格の建物にするべきか、理想とする建物が建設可能なのか、悩まれていました。
そして、商工会議所で懇意にしていた安成工務店が相談を受け、建設可能な用途や大きさについて、法律面から事前調査することをお受けしたことからプロジェクトは始まりました。
(写真は城下町長府の街並み)
土地の調査結果をご報告するとともに、コンペティションの実施を進言。
結果、他の大手建設会社も含め、数社の中で計画決定をすることになりました。
しかし、私たちは数か月前からいろいろと調査・検討しておりましたので、大手企業にも決してひけをとらないご提案が可能だと考えていました。
通常なら自社設計提案で挑戦しますが、今回は城下町長府を舞台にした、大手企業を相手にしたコンペティション。
このまちの新しいランドマークにしたいという大きな目標に向けて、建築家「泉幸甫」氏とタッグを組むことにしました。泉氏は土壁の魔術師と自称するように、左官仕上げに長けた作家で、旧知の建築家です。
泉さんと弊社スタッフの間で喧々諤々の協議が開始されました。
私たちの提案は、土塀が美しい景観上の特徴を持っている長府の街並みにふさわしく、二周の土塀を再現し、美しい瓦屋根を持つ和風の記念館でした。
また、建物は誰でも入れるカフェを併設し、美しい日本庭園をもち、「企業記念館」として資料の展示を行う1室を除けばすべて市民に貸出可能なスペースにしたい。例えば、お茶室、会議室、ミニコンサートなどが開催できるホールがあると良い。
それも木の架構をダイナミックに見せていきたい……多くのアイデアを盛り込んでいきました。
コンペティションの結果、他社がS造や2階建てを提案する中、地域の景観を第一とし、また地域に開放するという私たちの提案を採用いただくことができました。
開業後の評価も、城下町長府にふさわしい外観、ホールのスギ材の架構、温熱性能の高さによる快適さなど、高い評価を頂きました。
2015年には、グッドデザイン賞を受賞しています。
建物名
長府製作所記念館「蛍遊苑」
建築場所
山口県下関市長府侍町2丁目6番45号
竣工日
平成26年6月
構造・規模
木造/平屋建
延床面積
854.90㎡
設計・監理
泉幸甫建築研究所
企画・施工
株式会社安成工務店
用途
史料館、喫茶店、貸会場
〒752-0978 山口県下関市長府侍町2丁目6番45号
お気軽にお問い合わせください
お問い合わせ後は
お客様先へのご訪問も可能です。